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再会してもうすぐ一年、明渡と曖昧な関係を続けていた苑。頻繁に食事を共にし、時折キスをする、けれどそれだけ。明渡の真意がわからず、問い詰めることもできず、心も身体もどこにも進めずにいた。そんなときマンションでトラブルが起こり、苑は明渡の部屋に身を寄せることになる。渋々だったがふたりの生活は単純に楽しかった。けれど近所にはかつての自分を思い出させる少年が住んでいて……? 「キス」続篇。
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小学五年生の苑(その)にとって世界は悪意に満ちていた。両親の罵声や同級生のからかいに息をひそめる日々。そんな苑に、クラスの人気者・明渡(あきと)が構ってくるのが不思議で仕方なかった。ある夏の日、ふたりは神社でキスをするカップルを目撃する。その光景は互いの脳に灼きつき……? 11歳、17歳、21歳、25歳……人生のターニングポイントにはいつもキスがあった。光と影のような幼馴染みふたりの、綻びだらけの恋物語。
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