疑似家族を探す孤独な人外たち特集

「独り占めしたい」
二人の関係が嫉妬に変わり、やがて過剰な愛——執着心へと変化する。
男たちの強い愛の絆を描く、人気BLコミックス。
その主人公たちの独りごとで綴るコーナーが登場です。
あなた好みの愛のカタチはありますか?

VOL.1 疑似家族を探す孤独な人外たち特集

『スモーキーネクター』 (H&C Comics ihr HertZシリーズ) 作:ミナヅキアキラ

「死ぬほど好きだ。おまえをおれだけのものにする」

スモーキーネクター
著者:ミナヅキアキラ
ライターの羽瀬川みつるは、吸血鬼「バイター」の仕業だと噂される事件を調べていた。
幼なじみの安仲有生ことアンナには、首を突っ込みすぎるなと忠告される。だが、実はアンナ自身がバイターだったのだ。
みつるは取材と称してアンナに血を吸われることを了承。そのうえ、勢いのまま抱かれて気が狂うほど気持ち良くされてしまう。
さらには、みつるにも本人の知らない秘密があるようで…?
スモーキーネクター Renew
著者:ミナヅキアキラ

子供のころ、俺は「吸血鬼」だということで周囲に疎外されていると感じていた。太陽のような明るさを持つ羽瀬川みつるに、「みんなと違うのは、みんな一緒でしょ」と言われるまでは。
親に懐くように、「みつる」という存在を刷り込まれた。それ以来俺にとって、あいつは絶対的に必要な存在になってしまった。でも、だれにでも愛されるあいつに俺は必要のない存在。

たとえ同情で自分を愛したふりをしてくれているのだとしても、それでも側にいてほしい。

この心が愛ではなく、たとえ「執着」だとしても、だ。

香る獣(H&C Comics ihr HertZシリーズ)  作:飴 シロ

「血を吸われるたびに本物の家族になれる気がした」

香る獣
著者:飴 シロ
両親を事故で失った葉介は、親類の吸血鬼の家に引き取られ、その家の息子の鳴一と兄弟のように育った。吸血鬼として目覚めている鳴一は血を必要としていて、いつでも葉介の血を欲しがった。だけど、貧血を起こした葉介を心配した鳴一は、他の人間の血を吸うことに。
そんな鳴一にショックを受けて部屋を飛び出した夜、葉介は発情してしまう!発情!? 耳に、尻尾?自分は吸血鬼じゃなかった!?
しかも人間の姿に戻るには、エッチするしかなくて!!?
可愛くて、可愛くて、可愛い幼なじみとの強引エッチラブ☆

吸血鬼として既に目覚めている鳴一が、他の女性の血を吸う姿を見て、なぜか俺は激しく嫉妬してしまう。
血を吸う行為は、まるでセックスそのものだから。家族だけど、兄弟だけど、男同士だけど、他の子の血は吸わないでほしいと思ってしまう
「俺たち家族なのに、こんなのおかしい」

血を吸えない俺はもういらないの? 初めて会ったあの日から、ずっと鳴一は俺の特別な存在だったのに。
そんな折に、俺の前に一人の狼男が現れる。

俺と子供のころに結婚を約束したのだという、自称・運命の相手。「俺となら、お前は本当の家族になれる」と熱く口説いてくる。
いつまでたっても吸血鬼として目覚めないと思っていたら、俺は狼男だったのか……。
狼の仲間となら、あれほど欲しかった本当の家族が作れる――わかっているのに、鳴一と引き離されるのは死ぬより辛い。

服従と甘噛み(on BLUE comics) 作:志木見ビビ

「勝手に先生と家族みたいに思ってた。でももう、俺にはその価値がなくなっちゃった? 」

服従と甘噛み
著者:志木見ビビ
狼に変身してしまう体質の入間は、うっかり狼姿で事故にあい、獣医の湊に救われる。動物好きの湊から執拗に可愛がられる日々に「犬扱いするな!」とムカムカ反発しつつも、湊からのエッチでいじわるな「命令」に従うと、ずくずくとした甘い快感と昂りに襲われてしまって…。
家族のようにあたたかな時間と、刺激的な服従の快感にゆれる、ひとりぼっちだった人狼のツンデレ主従デイズ。
服従と甘噛み2
著者:志木見ビビ

一見真面目そうに見えて、実は変態な獣医の先生に、狼男の俺は飼われることになった。コンビニへの移動中も、オモチャを入れてきた先生……こんなの変だよ!

しかも、先生は人間の俺よりも狼の俺のほうが好きらしい。先生が気に入っているのは《俺》よりも《俺の狼の姿》なのかな…….
耳が飛び出て人とは違う俺の姿を見たとき、母親ですら戸惑い、俺を捨てたというのに……。

ところが、ある日、俺は狼の姿になれなくなってしまう。先生にとって価値のない存在になったのだ。
用なしになった俺は、家を出る決意をした。

CURE BLOOD(on BLUE comics)  作:戸ヶ谷新

「忘れられない。きっと死ぬときにも想い出すのは十字さんのこと」

CURE BLOOD
著者:戸ヶ谷新
“死ねない”生涯にただ1人、あなたがいる。

魂を揺さぶるストーリーテラー、誕生。
血をくれる医師×老いない吸血鬼を描いた人生SF

新人医師の忠雪はある日突然、異常な体になった。 吸血鬼のように、血が欲しくてたまらないうえ、老化がおそろしく遅くなったのだ。
忠雪は先輩医師の十字を襲ってしまい、自分はばけものになってしまったと姿を消した。しかし十字は忠雪を探し出し、「俺が診る。血も提供する」と手を差し伸べる。
それが2人にとって、秘密の数十年の始まりになるとも知らずに——。

十字さんの時間のスピードは、俺の時間とは違う。
なぜか時を止め、死ねない体になってしまった俺。俺が十字さんと一緒にいるせいで、十字さんの人生を奪っている気がする……。十字さんにもしもパートナーができたら? 俺はどうしたらいい。俺はいつまで十字さんの人生に居座るんだ!
「それでも俺はお前に会いたい」
そう十字さんに真摯に伝えられても――。
しかも、十字さんは俺に囁くのだ。
「お前はさ 俺が死んだら忘れろよ 」