妻子持ちの男・雨津木と7年関係を続け、挙句捨てられた雪文。そんな彼を拾ったのはごくごく普通のラーメン屋店員・慧介でした。

傷心薄幸美人な雪文を笑顔にしたくて頑張る年下攻め……あまりに尊い！！
「雨津木の代わり」として始まった関係でしたが、一緒に料理したり、同居生活を始めたりと、素朴で穏やかな日常の「幸せ」を雪文に与えようと奮闘します。慧介、救済の擬人化では？？(？)

縛られ、遊ばれ、ひどく抱かれても喘ぐ身体に躾けられ……雨津木に”都合のいいオモチャ”として扱われていた雪文。不倫関係に依存していた彼ですが、慧介によって自分が求めていた幸せの存在を知り、雨津木と向き合う覚悟を見せるように。一方、雨津木には雪文に並々ならぬ執着があるようで……？

昼ドラ並の濃厚さで展開していく、年下スパダリ×幸薄美人vsクズバリタチおじの恋愛バトルは必見です！

雨津木にクローズアップしたスピンオフ『悪人の躾け方』では、最強年下攻めに陥落する雨津木の「受け」の顔が見られますよ♥

ヤマシタトモコ先生が描く短編集。今回はその中でも、人生のままならなさが苦くも愛しい表題作「イルミナシオン」をご紹介します。

幼馴染で女好きの小矢への恋心を拗らせた末、初対面の州戸とワンナイトを過ごした幹田。「自分は同性愛者なのか」という1つの疑問を明かそうとした幹田が州戸に抱かれたその一夜だけで、3人の心がぐちゃぐちゃに掻き乱されていく様が3人それぞれの視点で鮮烈に描かれています。

作中には日常から大きく外れた、特別な出来事は起きません。しかし、他人も自分も思うようにならない悔しさや、自分を捻じ曲げられない痛みなど、登場人物の抱える葛藤があまりにも生々しく胸に迫ってきます。

恋を捨てた幹田、幹田と2人の世界を求める小矢、自分と誰かの絆を求める州戸。3人の中でじくじく燻る劣等感や熱情の人間らしさに、ただ「全員幸せになってくれ」と願うことしかできなくなります……。

表題作の他にも濃厚で切ない短編がたくさん収録されているので、ぜひあわせて読んでみてくださいね！

攻めの身体は1つ、でも受けを求める人格は2つ。多重人格な攻めとの三角関係が見逃せない一作です！

遊園地の着ぐるみの中の人として働く悠真は、一羽と社員寮で同室になります。しかし、一羽はほかにも「レイ」など複数の顔を見せ、一羽を強く求めてきて……？

見た目は同じなのに、正反対な性格を持つ「カズハ」と「レイ」のラブバトルは必見！
優しく悠真を甘やかすカズハに対し、レイは強引に激しく悠真を求めます。悠真を抱いている最中、レイに人格が代わるというハプニングも発生!? 多重人格ならではの擬似3Pは切なさ＆背徳感＆幸福感MAXです！

そんな3人によるラブとエチもさることながら、スリリングなストーリーも必見。後半では悠真を想うある理由が明かされ、物語は一気に怒涛の展開が繰り広げられます。
悠真に自分だけを見て欲しいカズハとレイ。1人の「一羽」として2人を受け入れていた悠真。3人が選ぶ決断に「愛」を考えさせられる、重厚な作品です。

宝井理人先生の言わずと知れた名作BL！
花のようにゆっくりと育っていく2人の愛と、差し込む影がどこまでも切なく、美しい作品です。

器用で飄々とした大学生・有川は、ある日出会った憂いを帯びた青年・御崎に興味津々。有川はひょんなことから御崎のいる研究室の手伝いをすることになりますが、そこでの御崎は顔に似合わず、超の付くほどのドジっ子で……。
互いの素顔を知っていくうち、徐々に距離が近づいていく2人がたまらん!!
有川の猪突猛進な攻めっぷりと、御崎の天然でウブな赤面顔が最高にかわいくて、ページをめくる度に胸が締め付けられます。

一方で、このシリーズのトリガーとなっているのは御崎の”保護者”である川端からの電話です。毎日電話をかけては「御崎には自分がいないと駄目だ」と病的に訴えてくる川端。彼が2人の関係に影を落としていき……。

御崎の抱えるトラウマと川端の執着、有川の真っ直ぐな想いがみずみずしく交錯する、切ない恋愛模様にじれキュンが止まりません！ 何度読んでも心が洗われる、まさに不朽の名作です。

高校教師の笠井に恋をした教え子の加藤。笠井は教師として、加藤の想いに応えることなくその卒業を見送りますが、加藤は笠井の後輩教師として赴任してきて!?

とにかく加藤の片思いぶりがかわい切ない!!!
一緒に住んでいた元彼・佐田にも笠井の面影を重ねてしまい、佐田と別れたあと「頑張るのは自由ですよね」と、甲斐甲斐しく笠井の家事をしてしまうという健気さ。届かないと分かっていながらも一途に慕い続ける様子に、行き場のない母性が爆発しそうになります。
一方でしっかりした倫理観を持つ笠井は、元教え子の猛烈なアピールに葛藤する大人の男性。並々ならぬ加藤の想いに戸惑いながらも、彼を放っておくことができず……。

そんな2人の関係は、加藤の元恋人・佐田が起こしたとある行動により変化していきます。
加藤の危機に直面し、必死に行動する笠井の男気は必見！ 佐田と対峙したときに初めて分かる、笠井のド本気な気持ちに胸を打たれます。

加藤への未練を捨てられない佐田の気持ちもまた、切なく心にグサグサ刺さります。あまりにも真っ直ぐな恋愛感情の交錯から目が離せません！