リスちゃんのメスお兄さん研究所|~旧家、土着信仰、怪しげな儀式~おいでよ因習村

皆様こんにちは!前回は攻め受け両方とも獣のBLってもふもふが二倍になってお得!というテーマのコラムを書かせていただきました、メスお兄さん愛好家のリスちゃんと申します。

メスお兄さん。
このコラムでも毎回出てくる単語です。
明確な定義はございませんが、いつも読んでいただいてくださっている方なら「こういうのがたぶんメスお兄さんって言うんだろうな……」というニュアンスは、なんとなくふんわりと理解していただけるのではないでしょうか?

にこにこ朗らかだったり、不幸気質で儚げだったり、えっちな誘い受けのお兄さんだったり、恋愛経験皆無で初心だったり、あこがれの先輩だったり、道端で行き倒れていたり、体の関係からはじまったり、なかなかくっつけなくでてやきもきしたり……。

メスお兄さん。
十人十色の個性があると思います。人には人のメスお兄さん。

そんな変幻自在な性癖ことメスお兄さん、付与されがちな特性というものも、実は存在します。
それはなにか?

因習村の儀式の生贄に選ばれがちなのです。

突然の血なまぐさい単語に驚かれるのも無理はありません。
因習村に馴染みのない方へ向けて簡単な説明をさせていただきますと、
その地方独自の土着信仰が強く根付き、謎の神を祀り上げて、怪しげな儀式が行われていたりする閉鎖的な田舎の村(この場合の“田舎”とはしばしばフィクションにおけるイマジナリー田舎の場合が多く、実在の地方を指すものではないケースが多いです)といった具合でしょうか。
寒村の場合が多いですが、稀に人里離れた孤島であったりもします。
要は、都会の文化とはほぼ断絶された土地です。

さて、メスお兄さんとは、この因習村の怪しげな儀式の生贄に選抜されるケースが非常に多いのです。
石を投げると因習村の儀式の生贄メスお兄さんにぶつかるのでは?というくらい、よく選ばれてしまいます。

村で祀られている神、そんな良いものなのか悪いものなのかすら曖昧な神に捧げる生贄、ひいては生贄を捧げるための非人道的な儀式……。
使う人柱は、やはり見目の良い人間に限ります。

美しく、身寄りがなく、腕力がなくて、村人の都合の良いように操りやすそうな人間。
そう、メスお兄さんですね。
これ以上の適任はありません。メスお兄さんには悪いですが、生贄選抜試験ぶっちぎりのトップ合格待ったなしです。

これでめでたくメスお兄さんという人柱が決定しました。いや~よかったよかった。晴れて村の平和も安泰です。めでたしめでたし。
……で、終わってしまってはBLがはじまりません。

重要なのはメスお兄さんの相手役の攻めです。
都会から迷い込んできた余所者だったり、メスお兄さんに昔から好意を寄せていた村の少年だったりします。どんな属性にしろ、攻めくんは当然メスお兄さんに命を落としてほしくないので、彼を助けようと必死に奔走します。
その結果がハッピーエンドになるのか、はたまたバッドエンドになるのか、あるいはメリーバッドエンドに着地するのかは神のみぞ知る……。

それが因習村生贄メスお兄さんBLなのです。

前振りが大変長くなってしまいましたが、今回はそんな因習村のこわ~い儀式が鍵となるイチオシの作品を紹介させていただきます!



  • 俺の春

    • 著者:木村ヒデサト
    ほんの少し前のこと、とある村には忌まわしい人柱の風習があった。
    幼い頃より身内が風習に翻弄される姿を見ていた栄太は、
    18歳の誕生日に大好きな春嗣へ特別な想いを告げる―…

    ※当作品はアンソロジー『ドロドロBL』に収録の作品『俺の春』の単話配信版です。重複購入にご注意ください。

閉鎖的な田舎の村に住む少年・久里栄太の家には、春嗣という遠縁の親戚が居候をしていました。
幼い栄太から可愛らしい好意を告げられた春嗣は、遠い目で微笑みながら「栄太さんが18歳になる頃には俺は死んでいます」と語ります。
身寄りのない彼は、雨が降らない村に実りをもたらすための儀式の生贄として生かされている、辛い背景がありました。

時は流れ、栄太はもうすぐ18歳。
春嗣は、30歳を越えてもまだ生きています。

久里家の離れに住む春嗣は、登校する栄太を優しい笑顔で見送ります。 どうやら近頃、村では行方不明者が多い模様。
春嗣は栄太に気を付けて行くようにと忠告をします。

久里家では昔から雨乞いのために人柱を立てて儀式を行う歴史がありました。
久里の家に産まれた・血が流れている・婿に入った……。
「久里」という家系と縁のある者に白羽の矢が立つ惨い儀式の、次の生贄候補。
それが春嗣なのです。

儀式の前日、緊張に固まる春嗣のもとに、栄太の母親がやってきます。
「一つだけ……生き延びる方法があるかもしれません」
前回の儀式の犠牲者は、栄太の父でした。
息子の栄太に儀式の順番が回ってこないようにするため、栄太の母親は、一つの忌まわしい提案を春嗣に吹き込みます。
それはいったい何なのか…?

愛を交わす二人に何が起こっているのか!
ぜひ本編でご確認ください!



  • 俺の春

    • 著者:木村ヒデサト
    ほんの少し前のこと、とある村には忌まわしい人柱の風習があった。
    幼い頃より身内が風習に翻弄される姿を見ていた栄太は、
    18歳の誕生日に大好きな春嗣へ特別な想いを告げる―…

    ※当作品はアンソロジー『ドロドロBL』に収録の作品『俺の春』の単話配信版です。重複購入にご注意ください。

いかがでしたか?

La Roseraieでは、切なくシリアスな内容のBL、ほのぼのプラトニックで可愛らしいほんわかしたBL、大人向けのエロティックなBLや甘々溺愛BLなど、多様なBL作品が目白押しです! 今回のようなどろりとした不穏な展開の作品をお求めの方は、ぜひ作品ページから「この作品を読んだ人はこんな作品も」の項目をチェックしてみてください!
きっと性癖に合致する作品が見つかるはず!

それでは、次回のコラムでまたお会いしましょう。

筆者

mikiko.art

リスちゃん

メスお兄さんと美少年と年下ワンコ攻めが性癖の、メスお兄さんをこよなく愛するBLオタク。メスお兄さんをすぐ座敷牢に入れる。創作BLも手掛け、X(旧Twitter)のフォロワーは1.5万を超えるメスお兄さんの伝道師。