経験豊富、余裕と枯れを併せ持つ男性ならではの──恋と愛。───大人読者に贈る、アダルト・ハードアンソロジー。

「ホレた方が負けだと思わないか？」　江南署の刑事・須賀は憂いていた。警視庁捜査一課から転属してきた米倉に言い寄られた挙句、相棒として捜査することを命じられたのだ。その上、昔惚れていた男も監察官で、不正にかかわった米倉を監視しろと秘密裏に頼まれてしまう。つれなくしても米倉は諦めないしキスしてくるし……。お前たち、捜査の邪魔だ！

営業からワケありの窓際部署に異動した泉は、そこで寡黙な美人社員の黒沢に出会う。実はここは社内トラブルを引き受ける部署で、ポーカーフェイスだが有能な黒沢はそれを遂行するよう命を受けていたのだ。男同士の関係は嫌いだったはずだが、自分に興味を示さない黒沢が気になって仕方なくなり……？

会社員、氷川千博。自分でいうのもなんだが、モテないほうじゃない。更に言うと可愛けりゃ男もイケる。もちろんそれはこっちが抱く場合の話だ。しかし俺の喰いまくり人生は、広告制作のクライアント・城之内に出会って狂わせられた。何たる不覚。年下の城之内に抱かれることになるなんて。アラフォーのこの俺が――！

週末を一緒に過ごし、月曜の朝エントランスで別れる。おもちゃメーカーの若社長・遊佐とその秘書・松岡は、プライベートでは恋人同士だ。おもちゃに目がなくてお人よしな遊佐を支えるのは、仕事のデキる有能な秘書の役目。仕事中でもつい甘えたくなる遊佐だったが、勤務時間中の松岡は冷たくて…。