リスちゃんのメスお兄さん研究所|キュンと甘くてほろ苦い……初恋の味ってどんな味?

皆様こんにちは!
最近のマイブームはα攻めくんがΩメスお兄さんの誘惑に耐えて理性を保とうとするオメガバース設定のドタバタラブコメな、リスちゃんと申します。
オメガバース、三度の飯と同じくらい好きなシチュエーションなので無限に読みたいです。

突然ですが、「春」といえば、皆様は何を連想しますか?
桜?
花粉?
春一番?
卒業式?
入学式?
新生活?

春、それは別れと出会いの季節。

このコラムが公開される頃はもうすっかり夏ですが、それはそれとして、春という季節特有のエモさについて今回は語らせてください。

春ってなんだかそわそわしますよね。季節が巡って、新年度になり、気持ちが一新される……そんな時期です。
学生の頃はもちろん、社会人になってもいまだに春が来ると毎年なんだか落ち着かない気持ちにさせられます。
例えば、地方から上京して大学入学を果たした初々しい攻めくんが始めた喫茶店のアルバイト。
そこの常連客らしいメスお兄さんは、いつも同じ席に座っています。パソコンを取り出し、たまに眼鏡のフレームを指で押し上げて、真剣な面持ちで仕事をしている彼の職業は、どうやら小説家のようです。
攻めくんはメスお兄さんに一目惚れをします。仲良くなりたい!けど、客と店員という立場である以上、距離はなかなか縮まらない……。もどかしい想いを抱えながらメスお兄さんを見つめる日々。
そんなある日、メスお兄さんは攻めくんに話しかけます。
「……君、いつも僕のことをすごく見てるよね?あ、責めてるわけじゃなくて……もし勘違いだったら恥ずかしいんだけど…………あの、よかったら……連絡先、交換しませんか?」

そんなきっかけから始まる恋があるかもしれない。そうです、それが春なんです。

今回はまさに「春」がキーワードになっている作品をご紹介いたします!

静かに、おだやかに紡がれる物語は春のやわらかな甘さとほんの少しの切なさを存分に感じられることでしょう。



  • それは春の終わりに

    • 著:野白ぐり
    入社2年目の天川春が異動初日に出会ったのは、先輩社員の中原青嗣。
    それまで特別なにかに心を動かされることのなかった天川は、初めて恋を知った。
    姿を見ただけで苦しくなるようなこんな気持ちが……
    自分の気持ちに戸惑う天川に、中原は「遊んでみる?」とキスをするのだった。
    追いかける天川とあしらう中原。2人の攻防戦の行方は──?

穏やかで誠実な人柄の好青年。100人に聞いて100人がそう答えるであろう、そんな主人公の名前は天川くん。人事異動によって新しい部署に配属された彼は、先輩についてもらいながら部署の仲間への挨拶回りを済ませ、案内をしてもらいます。
誰もいないはずの会議室、一人の男性がそこで眠っていました。

彼の名前は中原さん。飄々とした雰囲気の美人な先輩です。
かしこまって挨拶をする天川くんの腕を引っ張り、顔を近づけながら中原さんは言いました。
「きみ、なんだか甘い匂いするね」
「かわい。いくつ?歳」
ぐいぐい迫ってくる中原さんに面食らいながらも、同行してくれた先輩のフォローもありその場をうまく切り抜けた天川くん。

その夜、彼は中原さんのことを考えて、なかなか寝付けませんでした。

翌日。帰り道、偶然中原さんに遭遇した天川くんは思わず駆け寄って声をかけてしまいます。
昨日名乗ったことすら覚えてくれていなさそうな様子の中原さんに、少々がっかりする天川くんでしたが……。

中原さんは、ちゃんと覚えていてくれたのでした。

完全にノックアウトです。
天川くんは、中原さんに恋をしてしまいました。

中原さんへの恋心を自覚した天川くんですが、肝心の中原さんのほうは彼をまるっきり子供扱い。天川くんは中原さんを見ているだけでもやもやしたり、少し苦しくなったり、そんな複雑な感情を抱いてしまうというのに……。

この顔です。
こんな表情をされると、中原さんだって気が付きます。どんな鈍い人でも気付くでしょう。
この日以来、中原さんは天川くんを避けるようになります。天川くんのもやもやは募ります。

そんな中、中原さんの同僚の松田さんと中原さんが「お前、天川さんとなんかあった?さっき避けてただろ」「何かあったっていうか……なにも起きないようにしようと思って」という会話をしているところに居合わせてしまった天川くん。
必死に引き止めて「中原さんは嫌いなんですか、僕のこと」と焦る天川くんに絆された中原さんは、彼にそっとキスをしました。

わ、悪い大人ですね……!!

しかし、唇を重ねたことで、天川くんは思い知らされます。
彼が自分と同じ気持ちではないということを。

一方、中原さんから見た天川くんの印象はやはり「子供」でした。
無邪気で親切で、誰もが認める“いい人”の天川くん。そんな天川くんをからかい翻弄する中原さんは、今夜は泊まっても構わないということを匂わせる発言をして、天川くんの欲を煽ります。

「悪い大人のお兄さんに振り回される純朴な年下攻めくん、ただし本心ではしっかりと欲情をしていて、決して子供ではない――……」というシチュエーションにふさわしい、百点満点の表情ではないでしょうか……!?
こんなかわいいおねだりをされてしまっては、そりゃ中原さんだって興が乗るというものです。

ホテルに雪崩込む二人。
押し倒してキスをしただけで、天川くんは臨戦態勢に入っています。

男に手慣れた年上のえっちなお兄さんムーブをこれでもかと見せつけてくれる中原さんに天川くんは興奮しっぱなしです。
童貞ではないのに、まるで童貞に戻ってしまったかのようなぎこちなさ。これには中原さんもにっこり。

そうして結ばれた天川くんと中原さんでしたが、あくまでもその関係はセフレ。そう、中原さんにとって天川くんは完全に「遊び相手」でしかありません。

ただ、中原さんも天川くんのことが眼中にないわけではなく、同僚の松田さん相手には「すごい大事にしてくれるから照れる」「かわいくて……」と惚気っぱなし。本人に自覚はないようです。

中原さんがしてしまった誤算。
それは、天川くんは中原さんが思うよりも子供ではなく、意外と計算高くてしたたかということでした。
敏い天川くんは考えました。自分から連絡をしたら、きっと中原さんから別れを告げられてしまう――……と。
その読みは的中します。
今までは自分が振り回す側だったはずなのに、天川くんからの連絡がぱったりと途絶えると落ち着かない様子の中原さん。
仕事中もそわそわしっぱなしで、天川くんのことを目で追ってしまう始末です。
「あの子が俺に会いに来たらその時は『もう遊ばない』って言わなきゃと思ってたのに……」そんなことを考えながら、今度は中原さんが一人でもやもや。会社の飲み会に誘われて、天川くんも来ると聞いて参加を決めるほどに頭の中は天川くんでいっぱい。自覚はないのでしょうか?中原さんだって、天川くんに恋をしているはずなのです。

世間擦れしてしまったが故に真っ直ぐな初々しい恋愛をすることに臆病になってしまっている美人のお兄さん受け……そんな受けにひたむきな想いをぶつけ、なんとか振り向いてほしいと奮闘する純粋に見えて実は意外と計算高くてしたたかな年下攻め…………貴方は好きですか?

私は好きです。

大好きです!

飄々としているように見えて繊細で頑なな中原さんの殻を破ってくれるのは、間違いなく天川くんしかいません。
本当は誰かにずっと甘えたいと思っていた中原さんと、そんな中原さんに初恋を奪われてしまった天川くん。
はじめて同士じゃない、でもお互いはじめての、甘酸っぱくて初々しい、大人の初恋。

初恋は実らない。昔からあるジンクスですが……。
果たしてこの二人の恋は成就するのか?

ぜひ本編で恋の行方を確かめてください!

まるで春の夜のように甘くて切なくて、そして優しいお話です。
攻めも受けも恋愛に不慣れで四苦八苦するかわいいBLが読みたい……そんな方へおすすめの一冊です!



  • それは春の終わりに

    • 著:野白ぐり
    入社2年目の天川春が異動初日に出会ったのは、先輩社員の中原青嗣。
    それまで特別なにかに心を動かされることのなかった天川は、初めて恋を知った。
    姿を見ただけで苦しくなるようなこんな気持ちが……
    自分の気持ちに戸惑う天川に、中原は「遊んでみる?」とキスをするのだった。
    追いかける天川とあしらう中原。2人の攻防戦の行方は──?

いかがでしたか?

La Roseraieでは、甘酸っぱくて初々しいピュアなBL……ずしっと重たいメリバ描写のあるBL……などなど、ありとあらゆる分野のBLを多数取り揃えております。
いつも甘々なBLを好んで読んでいるけど、たまにはシリアスな作品を開拓したい!
鬱展開のあるBLが好きだけど、今は青春ラブコメを摂取したい気分かも?
そんなときは、ぜひLa Roseraieで探してみてください。きっと、あなたの新たな扉を開いてくれることでしょう!

それでは、次回のコラムでまたお会いしましょう。

筆者

mikiko.art

リスちゃん

メスお兄さんと美少年と年下ワンコ攻めが性癖の、メスお兄さんをこよなく愛するBLオタク。メスお兄さんをすぐ座敷牢に入れる。創作BLも手掛け、X(旧Twitter)のフォロワーは1.5万を超えるメスお兄さんの伝道師。